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ガルーダ
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| タイ国政府の紋章であるガルーダは、タイ語では、クルット(khrut)といい、タイ国民にとっては、大変に大切な象徴(シンボル)になっております。官公庁が使用するすべての書類の上部中央に印刷されておりますから、すでに多くの方が、その意義を承知しておられることでしょう。もっと身近に見たいという方は、 タイ旅行で使い残したお手持ちのバーツ紙幣で、ガルーダの絵をご確認下さい。 タイ語は韻文に適した言語ですから、昔からたくさんの詩が残されております。今回は、クルー・テープ(1876−1943)という詩人が、その「ガルーダ」について詠った詩の一篇をご紹介いたしましょう。クルー・テープは、タイ現代文学の確立期に活躍し、啓蒙的知識人として、とくに教育改革に尽力し、その死後も「タイ国近代教育の父」として、広く知られている人物であります。 (『東南アジア ― 土俗の探究 − 』森幹男 編訳 P.137 抜粋 ) |
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勝利のガルーダ
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| おばあさんの周りに 孫たちは寄りつどい おばあさんの物語に 一心に身を傾ける 今日のお話は ナーガ(竜王)とガルーダの一騎打ち 海の真ん中で水を吹くナーガと それを待ち伏せするガルーダ そうっと近づいたガルーダ 力のかぎりナーガを引き上げれば おばあさんはここでひと休み 寄りつどう孫たちの顔を見回す 孫たちの問いに おばあさんは曖昧な受け答え |
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| ナーガ(竜王)とガルーダの一騎打ちは、ガルーダに軍配が上がりました。ガルーダは、やはり強かった! だからこそ、タイ国政府のシンボル・マークになったのでしょう。 即ち、ガルーダ印こそは、タイの威信の表われなのであります。 『タイ日辞典』(冨田竹次郎)の解説に因れば、ガルーダはインド神話に登場する架空の大鳥(ガルダ)で、"鳥の中の王様"だそうです。鷲に似た顔、赤い翼、金色の胴体と、腕や脚は人間の姿をしています。甘露をなめて不死となり、須弥山(しゅみせん)のふもとにある樹上の御殿に棲息していますが、龍を常食とし、時には若者に化けて人間の国を訪れることもあり、神と人間と鳥とを混ぜ合わせたような存在の鳥だそうです。それに、ヴィシュヌ神の乗物としての存在も忘れてはならないと思います。タイ語では「クルット」と発音するということは最初にも書きましたが、この単語は、タイ人の社会では、俗に、飛行機や紙幣という意味も有するそうです。そうそう、そう言えば、インドネシアの飛行機会社の名前が「ガルーダ航空」でしたね。 ガルーダの話だけでしたら、このくらいで十分なのでしょうが、私といたしましては、ガルーダにくわえられて天空に連れ去られたあのナーガ(竜王)のことが気になってなりません。龍といえば、中国人がもっとも愛する動物ですし.....。 ここでちょっと、四国は讃岐の「金毘羅さん」に話の舞台を移させていただきます。海の神様を祀っている「金毘羅さん」の近くで生まれ育った私にとって、「金毘羅信仰」は幼い時から馴染んでいるものであります。 「金毘羅大権現の御身体が、クンピーラ>金毘羅龍王>龍神>海の神」 『金毘羅信仰』守屋毅 編 雄山閣出版社 p.44 |
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| そうです。金毘羅さんは、あのナーガ(龍神)を祀っていたのであります。ガルーダに食べられたナーガは、四国の讃岐に祀られてからというもの、「蛇体の水神」として、船に乗る水運関係者にはきわめて篤く信仰されて参りました。現代においては、それが拡大解釈され、「交通安全の神」にまでなっております。 ガルーダは「空」を守り、ナーガは「海」を守る。いまや、仲良く棲み分けと分業を果たし、やれ、目出度し、目出度し。 (吉川 敬子) |
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